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○飯島委員 自由民主党の飯島夕雁でございます。
本日は、質問の時間を与えていただき、本当にありがとうございます。御礼申し上げます。
さて、本日は、限られた時間ですので、政府、厚生労働省提案の療養型病床群の廃止案に絞っての質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
私もかつて現場で働いていましたのでよくわかるのですが、お年寄りの医療にはケアの視点がとても大切です。虚弱なお年寄りのケアの手を抜けば、それだけで病気になってしまうという実態を見てまいりました。そうした現実を踏まえて介護保険法が生まれ、その中に、ケアを大切にして、それとあわせて医療を行うという趣旨で、いわゆる療養型病床群、介護療養型医療施設があったと思うのですが、今般、療養病床の再編ということで、介護療養型医療施設は廃止され、療養病床は医療保険ベッドだけになるわけですが、この廃止のために利用者の行き場がなくなってしまうということがあってはならない、またそのための手だてを講じなければならないと考えています。
介護保険、附則がつくこととなりましたが、これは、今後六年間をかけて、介護療養型医療施設を利用している患者さんの受け皿として、医療保険ベッドや特別養護老人ホーム、老人保健施設などの今ある施設だけでなく、現実の患者さんに必要な医療やケアに対して検討をし、それにふさわしい医療、看護、介護、リハビリ、ソーシャルワークなど、適切に配置した施設をつくる、残す用意があるという意味だと理解しておりますが、それでよろしいか。いま一度、大臣にお伺いしたいと思います。
○川崎国務大臣 今回の療養病床の再編に当たりましては、入院している利用者の方々の追い出しにつながらないようにすることが大前提であり、その上で、患者の状態に応じた施設の機能分担を推進することとしております。
療養病床については、医療の必要度の高い患者を受け入れるものに限定し、医療保険で対応させていただきます。医療の必要性の低い患者については、より居住環境のよい老健施設等の介護施設、居住系サービスまたは在宅で受けとめること、このような考え方で今回御審議をいただいているところでございます。
そして、法案の附則の中で、入所者の状態に応じてふさわしいサービスを提供する観点から、老人保健施設等の基本的なあり方や入所者に対する医療のあり方等について検討を行う、二度目として「地域における適切な保健医療サービス及び福祉サービスの提供体制の整備の支援に努める」、こう書かれております。
今後、地方自治体の皆さん方のご意見、また、実際に運営されております皆さん方のご意見を聞きながら、必要な支援を進めてまいりたいと考えております。
○飯島委員 ありがとうございます。ぜひ現実の患者さんに必要な医療やケアについての検討を行っていただきまして、六年という期間はある意味では大変短いと思います。ぜひ早い段階で、具体的内容を検討し、お示しくださいますようにお願いしたいと思います。
引き続き、大臣にお尋ねいたします。
これまで介護保険の療養病床では、お年寄りの自立、尊厳を守るという視点から、利用者をベッドや車いすに縛る身体拘束は禁止するという規定がございました。身体拘束がどうして禁止されたかといいますと、お年寄りは、縛られてしまうとすぐに床ずれができ、脱水を起こし、肺炎を起こすという状態になりまして、衰弱しながら死んでしまうという傾向が多分にございます。介護者の介護軽減のための安易な理由で、過去、何万、何十万という方が抑制に苦しめられて、とても惨めな状態で死んでいかれました。それがこの国の老人病院の歴史でもあります。介護保険では、その現実を踏まえて、身体拘束を禁止いたしました。
厚生省の今回の改定の際の説明によりますと、医療保険ベッドでも介護保険ベッドにも同じような患者さんが入院しているとの説明でございました。今後、現在ある療養病床はすべて医療保険が適用されることになるわけですが、それらの説明からも、医療保険療養ベッドにも不必要な身体拘束は当然禁止されるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○川崎国務大臣 指定介護療養型医療施設の指定基準におきまして、サービスの提供に当たっては、当該入院患者または他の入院患者等の生命または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束その他入院患者の行動を制限する行為は行ってはならないとする考え方でございます。病院などの医療機関においても共通するものであると考えております。
その上で、医療機関における対応を考える際には、医療機関の役割は急性期の対応を含めた適切な医療を提供することが基本であることを踏まえ、それぞれの施設の性格や役割を考慮しつつ検討を行う必要があると考えております。
なお、財団法人日本医療機能評価機構による医療機能評価においても、安全確保のための身体拘束を行うことはこれを否定しているわけではありません。これは診療を行う場合にやむを得ない場合はあるだろうと感じております。これを行う場合に、その適用基準や手順を明確にしているか、十分な説明を行い同意を得ているか、患者の状態を適切に観察をしているかどうか、こうしたものを評価基準としながら判断をさせていただいているところでございます。
○飯島委員 ありがとうございました。
今のは介護保険下においても例外規定が設けられていることであり、同じ内容であると認識しております。
ただし、今回については、療養病床、介護保険下における患者さんが医療保険ベッドに移るということで、患者さん自体には変わりはないわけでございますので、その辺につきましては、高齢者を抑制するということは、非常に体力を消耗する原因ともなることでありますので、緊急やむを得ない個々の場合というのはもちろんあると思いますけれども、原則は禁止という形にしておかないと、やはり病院側の都合による身体拘束がどんどん増えてしまうのではないかという懸念が感じられます。ぜひ、その辺も考慮した上で、個々の状態に合わせた身体拘束の例外規定というものを設けていただきたいと思います。
続きまして、リハビリテーションスタッフやソーシャルワーカーの位置づけについてお尋ねしたいと思います。
今回の医療保険では、リハビリテーションの方に大きなメスが入っております。算定上限日数が決められているため、例えば、脳血管疾患では発症から百八十日しか点数がつかない。療養病床に入ってくる方は、大体それ以上の時間を経てから転院されてくる方が多いでしょうから、その人たちにはリハビリテーションをしても点数がつかないという話がございます。
また、医療区分二の内容で、リハビリテーションが必要な疾患が発症してから三十日以内の患者以外は医療区分一となるとされているとも聞いております。
高齢者におけるリハビリテーションは、回復期のリハとは異なりまして、維持期のリハビリテーションであることが多く、また、目覚ましい回復が見込めなくとも、例えば硬縮を予防するといった例を挙げただけでも、長い目で継続的にリハビリテーションを行うことが必要だというのはご承知のとおりかと思います。
また、今回の案においては、医療が必要なときには医療保険、介護だけでよくなれば介護保険に、そしてまた在宅へいけるならば在宅へということで、目まぐるしく保険や医療やサービスが変化し、その都度調整が必要となってくることが予測されております。これらの状況に、患者さんやご家族の方、そういった方々が混乱することなくサービス活用をきちんとできるようにするには、現在のケアマネジャー制度だけでなく、病院内におけるソーシャルワーカー、MSWの存在は非常に重要なものと考えております。
しかしながら、療養病床を医療の必要度が高い高齢者の病床と位置づけている一方で、これらリハビリテーションスタッフやソーシャルワーカーの配置を義務付けてはおられません。維持期や終末期のリハビリについては、一般病床のそれとは別枠で考えて点数をつけること、また、個人的には最低でも五十人に一人ぐらいリハやソーシャルワークのスタッフの配置が必要なのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○松谷政府参考人 リハビリテーションスタッフについての問いだと思いますけれども、高齢者医療におきましては、多くの職種の方が連携して患者さんに対して適切なケアを提供するということが望ましい、言うまでもないことでございます。したがいまして、各医療機関におきまして、必要な医療従事者が適切に確保されていることが重要であると考えております。
医療法に基づく人員配置基準は、すべての医療機関が遵守すべき規制の一つでございます。例えば、療養病床に入院する患者さんがそれぞれどの程度のリハビリテーションを必要とするかといった、提供される医療の内容を標準化して規制の基準として数値を定めるということは難しい問題であると考えてございますけれども、今申し上げましたように、適切なケアを提供する上で、チームを組んで医療を提供するわけでございますので、当然それは大切なことだということでございます。
医療法の人員配置標準におきましても、例えば、病床のPT、OTにつきましては、病院の実情に応じた適当数ということとして定めているところでございます。
一方で、リハビリテーションなどの高齢者に対する医療は多職種連携のもとで適切に提供されるよう、病院等に対しまして経済的なインセンティブを与えるということは、良質な医療を提供する体制を構築していく上で必要と考えてございまして、このような観点から、診療報酬上、リハビリテーション医療の評価におきまして、理学療法士や作業療法士、PT、OTといいますが、この配置を求めているところでございます。
○飯島委員 ソーシャルワーカーについての位置づけはいかがでしょうか
○松谷政府参考人 病院の提供につきまして、これは、高齢者の医療だけではなくて、急性期の医療等につきましても、ソーシャルワーカーの配置というのは、その場面場面において大変大事なことだと思っております。
医療法の規制は衛生規制でございますので、ソーシャルワーカーのことまでは規定してございませんけれども、各病院の医療の内容に応じて医療のケースワークを担当される職員を配置している病院が多いというふうに認識してございます。
また、その資格の問題等につきましても、いろいろそれを行っている方について議論があるというふうに承知してございますけれども、例えば、精神科等、非常に特殊、特殊というか専門のケースワークが必要な方については、PSWといったような方の制度が制度化されているところでございます。
○飯島委員 御答弁の中で、診療報酬の中である程度は評価をしていって、そこで必要であるというようなご見解かと今理解したんですけれども、そういうことでありましたら、医師や看護師の何対何というふうに規定をされておりますように、リハビリテーションスタッフ、ソーシャルワーカーにつきましても、必要なものについて診療報酬としてきちんと評価していくんだということであれば、やはり文章の中での明言化をぜひとも行っていただきまして、そういった中でリハビリテーションスタッフの適正な配置。
それから、今申し上げましたのは、急性期も含むソーシャルワークではなくて、今回の療養病床が一般医療保険の中に入るということでのソーシャルワーカーの位置づけについてご質問したのでありまして、これは、入院期間中の状況を、在宅というものをまず基本に据えていきたいという政府案、厚生省案の中で、在宅復帰に当たって病院中はどういう状況であったかという、連携をしっかりとるために病院内の医療ソーシャルワーカーの必要性が多いのではないかということから質問いたしましたのですが。
○水田政府参考人 現在の診療報酬体系の中では、ソーシャルワーカーの位置づけ、これははっきり明示的にはしてございません。病院全体の経営の中で、さまざま見るべき分野をどういうふうに見ていくかということで対応していただいているわけでございます。
ただいま御指摘のような点につきましては、さらに在宅医療とのつなぎをどうするかという観点で、今回、退院時の在宅医療とのつなぎの点を評価することといたしましたけれども、その中で全体的に、個々に細分化して見るのではなくて、全体として医療施設としての機能を評価していくという中でとらえるべき問題かと思いますけれども、なお実態について関係学会等、現場の声もよく聞いてみたいと思います。
○飯島委員 ぜひ現場の実態を踏まえまして、御検討をよろしくお願いいたします。
それでは次なんですけれども、終末期医療、高度認知症の患者さんの対応に対する状況についてお尋ねいたします。
これまで療養型病床群に入院していた高齢者の中で、老人ホームや老人保健施設がとかく敬遠するケースとして、終末期のお年寄り、これは病状変化が激しいということで、なかなか受け入れがありませんでした。また、高度認知症の患者さん等が挙げられると思います。療養病床の削減に伴い、今後、ターミナルケアや重度認知症の患者さんに対する医療やケアについて、その受け皿となるものをどのように確保していくお考えがありますでしょうか、お尋ねしたいと思います。
また、今回の案においては、在宅でのケアや終末期のみとりを希望する方への道を広く広げていこうという案が示されていますが、在宅サービスが十分に手が届かない、サービスがない過疎地や僻地についてはどのような見解をお持ちか、あわせてお尋ねしたいと思います。
○磯部政府参考人 御指摘の在宅におけるターミナルケアにつきましては、今回、介護保険において、昨年の介護保険法の改正によりまして、認知症の高齢者の方々が住みなれた地域で生活を続けることが出来ますように、地域密着型サービスを創設するということとしております。
それから、四月からの介護報酬改定におきましては、特別養護老人ホームにおける入所者の重度化やターミナルケアへの取り組みにつきまして、介護報酬上の評価を始めております。
また、認知症、高齢者、グループホームにおきます医療連携体制につきましても評価することを新たに設けまして、こうしたことによりまして、在宅における、あるいは施設におけるターミナルケアの一層の取り組みを図っているところでございます。
○飯島委員 重度認知症の患者さんについては、まず、食事、排せつ、清潔、アクティビティーなどの基本的なケアを中心としまして、それを行った上で医療にかかわる。その際も、最低限の向精神薬の処方やその副作用のチェックなど非常に大切であり、一般の精神病院の対応とは異なるものと考えています。性質は全く異なるものと思います。
また、終末期医療においても、最後まで患者さんの尊厳が保たれ、家族もその死をきちんと受け入れることができるように、丁寧に寄り添うことが不可欠であり、治療して治すことが目的である一般病院とはおのずと病院や施設の役割は異なってくると考えます。
こうした背景をぜひ踏まえた上で、今後六年間の経過措置もございますので、高齢者医療にふさわしい施設とはどういうものかということをさらに検討し、提供体制の整備をお願いしたいと思います。
引き続きまして、医療療養病床の人員配置についてお尋ねしたいと思います。重度で変化や動きのある患者さんを集めるのであれば、まず、医師は二十四時間常時一病棟に一人張りつけが必要なのではないかと考えます。また、看護二十対一、介護二十対一で、医療区分二や三の人が八割以上いる病棟を真っ当に運営するということは、現段階で非常に困難ではないかと考えます。今であっても、医療保険の療養病床には実質配置二十五対一、二十対一という配置基準があるわけですけれども、これは、患者さん百人に対して看護、介護スタッフが合わせて四十五人いたというわけです。それで、医療区分一の人が六から七割を占めているような病院でさえケアが十分にいかないという現場がたくさん存在していたのが現実でございます。
今度の改定では、そのスタッフ数を患者百人に対して五十人にしますよということだと思いますが、たった五人の増員で、医療区分二、三の方がほとんどの病棟をまともにできるわけがない、人員配置が余りに少な過ぎるのではないか、これでは、現場のまともな治療やケアができずに、患者さんは悲惨な状態になってしまうのではないかということが予測されますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○水田政府参考人 現行の療養病棟入院基本料についてでございますけれども、現行の配置基準で、介護職員五対一、看護補助職員五対一以上の配置というものを算定要件としておりますので、改定後の入院基本料におきましてもこれを算定要件とすることとしてございます。
ただ、お話にもありましたとおり、医療区分二または三に該当する患者さんが多い病棟、具体的には八割以上を入院させている病棟につきましては、看護職員四対一、看護補助職員四対一以上の配置を求めるところでございます。
これは、ご指摘がありましたとおり、医療の必要性が高い患者を多く入院させた場合にはより手厚い医療が必要となる、こういう観点から、このような人員配置を求めることとしたものでございます。
この基準といいますのは、療養病棟入院基本料を算定するに際しての最低限満たすべき基準でございまして、医療現場におきましては、必要に応じて人員をさらに配置する等の措置が講じられておりまして、こういった現実的な対応も含めまして、十分に対応していけるもの、このように考えてございます。
それからもう一つ、患者さんの病態ということでございますけれども、今回の医療区分を設定するに当たりましては、平成十五年五月から二年間かけて調査をいたしまして、約九十の病院、七千人の慢性入院患者、それから三千五百人につきましてはタイムスタディーを行ったわけでございますけれども、その患者の病態を見ますと、やはり、療養病床に入院されている高齢者の方々につきましては、概して安定的な、医療の必要性に関していえば安定しているということがありましたので、これを踏まえて全体を考えているわけでございます。
○飯島委員 さまざまなところからデータをとられているという御説明をいただいているのですが、現場に即した状況を考えたときに、医療現場では、やはり二、三の医療区分の方が八割もいてはとても難しい、あるいは残された医療区分一の方が、二、三の方に手をとられて一の方もより介護が手薄になり、一の状態の方が悪化するのではないかという懸念も持たれております。その辺のところも踏まえまして、そういった声もございますので、ぜひこの六年間の間にさまざまな状況を実態把握をしていただきまして、本当に適切な人員配置をさらに深めていただけるよう、またチーム医療が高齢者ケアについては必要でございますので、先ほどのPT、ソーシャルワーカーも含め、医師、看護、介護の基準、それプラス人員ということもぜひ念頭に置いてまた考えていただけたらなと思います。
時間の方も迫ってまいりましたようなので、質問の方は終わりたいと思いますが、今回の療養型病床群の廃止が提案されて以降、施設を利用されている方々からは、今後どうしたらいいのかという不安の声、それからまた施設従事者からは、このままでは医療、介護難民が続出するのではないかといった危惧がたくさん寄せられております。しかしながら、少子高齢化社会、超長寿社会というものを迎え、日増しに医療費が増大するという中で、この医療費をどうしていくかというのは重大なテーマでありまして、今回の改革はそうした観点から深く切り込んだものというふうに信頼をしております。
二十年間も続いたこれまでの悲しい老人病院の歴史は、決して繰り返されることがあってはならないというふうに強く思っております。本当に今までの老人病院は悲惨な状況でございました。そのために、介護療養病床群が削減されて、一新して、新たなきちんとしたケアと医療が受けられる施設になる、この突破口になっていただけるように、この医療改革を機に、本当にお年寄りが安心して暮らしていける在宅や施設の、それから我が国の理想のあり方、そして仕組みの構築を実現させていただけますように心から期待しまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
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