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○久野公述人 ただいま御紹介にあずかりました精糖工業会の久野でございます。
本日は、こういう機会を得ましたことに対しまして、委員の皆さん方に心から感謝申し上げたいと思います。
初めに、私の方といたしましては、このたび政府が提出されました法律案については、本当に将来を見越した法律案として、賛成を申し上げたいと思います。
そこで、私は、賛成に当たりまして、二、三の御意見を申し上げたいと思っております。
一つは、経緯を申し上げたいと思っておりますが、砂糖業界というのは余り知られていないわけでございまして、我々砂糖業界といたしましては、台湾で砂糖の出発点があったわけであります。それから長い間、日本の甘味資源を提供してきたわけであります。
しかしながら、その過程におきまして、砂糖業界といたしましては、多くの納税義務を果たしてきたわけであります。現実、国民の皆さん方が、本当に砂糖にこれだけの税金が入っているということは御存じないわけでありますが、明治三十四年から砂糖消費税が課されまして、戦後におきましては、海外から入ってまいります原料糖に対して大幅な財政関税を賄ってきたわけであります。その金額は、ここの図表に書いてあるとおりでございまして、砂糖というものは今大変安いわけでございますが、それだけの国家的な役割を果たしてきた商品であるということをひとつ御理解願いたいと存じております。
あわせて、もう一つは、今度の糖調法の改正にもありますように、現在は、沖縄、鹿児島、北海道におきましてサトウキビあるいは砂糖大根の生産をいたしておりますが、約九百億円の助成をこの両方にやっているわけでございます。しかしながら、この九百億円に対して、現在、砂糖の価格の中にその保護財源が入っているわけでございます。現在は大体一キロ三十円でございます。スーパーに行きますと百三十円でありますと、三十円は税金相当分、簡単に言いますと保護財源であります。現実には八〇%を消費者あるいはユーザーが負担し、我々メーカーがそれに対して一生懸命販売努力をしているわけであります。言うなれば、その集めた金が、沖縄、鹿児島、北海道の農産物の生産に対する責任、あるいはそういうものの生産に重要な役割をしているということをまず御理解願いたいと思います。
二番目には、お砂糖に関しまして、約三百万トンぐらいの消費がございましたが、三十年前と比べますと百万トンぐらい減りまして、現実は二百万トンであるということであります。
なぜ砂糖が減ったのかということでございますが、これは、砂糖は健康に悪いとかいうこともインプットされまして、全くの誤解の中で砂糖が減ってきたわけではございません。これは、日本の農業政策上、トウモロコシからつくります異性化糖、これが七十万トンから八十万トンございます。これによりまして砂糖の使用量が減ってきたわけであります。もう一つは、加糖調製品というのがございまして、お砂糖と同質でございますが、残念ながら、今の日本の国際環境の中においては、この加糖調製品という砂糖が八三%以下のものについては、砂糖に比べて非常に負担が少ない、調整金が負担されていない。したがいまして、この加糖調製品というのが四十万トン、日本に入ってきているということでございます。
この四十万トンという加糖調製品、これは本当に経済的にも非常に不平等な制度に基づいて輸入されてきているのでありますけれども、国際的な、WTOとかいろいろな問題がございますと、そこではなかなか交渉でそういう問題を乗り切れないわけであります。この加糖調製品の問題というのは、今後これを放置いたしますと、北海道、沖縄、鹿児島におけるサトウキビの国内生産にも大きな影響を及ぼしてくるわけでありまして、この点についてはひとつ御理解を願いたいと思います。
もう一つは、御存じのように、お砂糖が世界的に逼迫してまいっております。これは、御存じのように、サトウキビからエタノールをつくるということで、砂糖の国際相場が大変大幅に上がってきております。そういう面からいきますと、我々としては、消費者あるいは国民の皆さん方にいかに安い砂糖を供給するかということができない現状になっているということであります。
いずれにいたしましても、このエタノールの問題は、サトウキビがエタノールをつくる一番重要な農産物でございます。このことがあらゆる面で影響してまいりますと、農産物に関する構造変化が出てくるのではないかと存じております。
どうか、委員の皆さん方にも今申し上げた点を御理解願いまして、今度の法律案について、あらゆる問題について、今後とも前向きに対応していただくことをお願い申し上げたいと思います。
そこで、私の方といたしましては、今まで、四十年以上、糖調法とか糖価安定制度とかありましたが、これについてはあらゆる農業の助成策があったと思います。しかし、私は、この助成策なくして日本の農業は確立できなかったのではないか、したがって、新しい時代の中で競争力をつけていかねばならない、そして、その中において農産物の需給関係がバランスがとれて、公平な仕組みの中で維持しなければならない、こう思っております。
そういう面で、今度の法律案につきましては、将来を見据えて、あるいは担い手を養成する、あるいは日本の自給率を確保していく、あるいは農家の人たちにつきましても、生産の効率とか競争力の問題についてマーケットを理解していただく、そして全体のバランスがとれて、将来、国際的な市場競争に日本の国内生産のものもすべてが対応できるという面では、この法律改正は私は大賛成であります。そういうことで、この法律案については国民の負担も減るような形を選択されておりますから、これについては私は賛成を申し上げたいと思います。
そこで、今後どういう問題が、砂糖に関する制度について御理解願いたいかと申しますと、一つは、北海道におけるてん菜糖、これは国際競争力からいきますと二・六倍であります。それから、沖縄、鹿児島のサトウキビについては八・四倍であります。これは、あらゆる手だてをしましても、なかなか競争力はつかないと思います。
しかし、その中で、競争力がなくても、このサトウキビと砂糖大根の生産をやめるということは絶対やってはならないことだと私は確信をいたしております。北海道におきます砂糖大根につきましても、これは何としても輪作体制、北海道の農業生産の中においては重要なポジションにあるわけでありまして、また北海道の農業経済においては重要な役割を私は果たしていると思いますので、したがいまして、このてん菜の栽培については、あらゆる角度から御理解願いまして、そして、砂糖大根の栽培が今後とも安定的に推進されるように御理解を願いたいと思います。
また、沖縄、鹿児島は、先ほど申し上げましたように、国際的な砂糖の価格からいきますと八・四倍であります。こんなものは国民の皆さんはなくしてしまえ、こうおっしゃるかもしれません。しかし、離島における鹿児島においては、サトウキビが唯一の生産物であります。また、沖縄においても、すぐれてそれしかないわけであります。これは、どんなに競争力がなくても残さなければならない。
そして、沖縄と北海道の砂糖の国内生産をすることによって、日本の砂糖、甘味に関する自給率を三五%前後確保していくことは、これからの世界的な砂糖、そういう甘味に関する資源問題から考えて当然強化していくべきだし、また、それをつくっている側の人は、それに対して責任を果たして効率化していくことは当然だと私は思っております。
どうか皆さん方、甘いものに対する理解が案外ないわけでありますが、中国の方が今とっている砂糖は一年間に九キロであります。日本人は十九キロであります。ヨーロッパ人は四十キロ。そういう状況にありますが、中国人は、コーヒーをこれから飲みますと、どんどん砂糖を使ってきます。そうしますと、砂糖の原料が世界的になくなってくるわけです。
かつまた、エタノールという新たな展開で、油にかわる資源、環境資源として使われてくるわけでありますから、砂糖だけではなくて、トウモロコシを含めて非常に重要な問題になってくると思っております。そういう点について、法改正を契機にして、今後とも国民の皆さんに方に問題を提起していただいて、真剣に討議していただくことをお願い申し上げたいと思います。
したがいまして、こういうような制度を維持するという中におきましては、財源の負担をどうしていくかということが重要問題だと思います。
最初に申し上げましたように、現実段階として、九百億円の財源を、我々砂糖メーカーが八〇%、これを消費者にお願いして、市場原理が厳しい中でその徴収をいたしているわけであります。これは、国民の皆さん方がほとんどわかっていない事実であります。しかし、これを我々は責任を持ってやっていかねばならないし、その責任を履行することによって、企業としての社会的責任を果たし、日本の農業を維持し、そして国の負担を減らしていく、こういうもとになるのではないかと私は思います。
しかしながら、この財源の負担という仕組みが、今後ともあらゆる面で公平でなければならないというのが私どもの考え方であります。どうか皆さん方におかれましても、委員の皆さんにおかれましても、その辺について、国がどう負担すべきなのか、あるいは我々消費者がどう負担すべきなのか、こういう問題を、今後の法律改正とともに、十分審議されて、全体が納得いくような運営をお願いしたいと思います。
その面では、加糖調製品という、砂糖が八三%で残りがでん粉とかあんことか、こういうものに対して、なるべく早く均衡がとれるような、国際的な交渉の中においては大変重要問題でありますが、この加糖調製品という四十万トンのものに対して、公平な税制、公平な仕組みの確立を与野党の先生方にお願いしたいと思います。
そのことがなければ、北海道、沖縄、鹿児島における国内の砂糖生産についても、あるいはその他の農産物についても、いろいろと私は問題が出てくるのではないかと思っております。どうかそういう点を十分御理解願いたいと思っております。
また、その中で、先ほど私が申し上げましたエタノールの問題でございますが、この問題については先生方も十分熟知されておられると思いますが、ブラジルにおけるエタノールの生産というのは、砂糖の原料として売った方がいいのか、あるいはエタノールとして売った方がいいか、それは生産者があらゆる形から選別いたしまして生産を変えているわけであります。
現実段階といたしまして、ブラジルにおきますエタノールの生産コストは、油の値段と比較いたしますと、大体三十ドルであります。現実、石油の値段は七十ドルから六十ドルであります。この石油の値段が四十ドル前後に下がってこない限り、エタノールの生産は、トウモロコシを含めて、今後大きな形で展開してくるのではないかと思います。そのことが、世界的な需給の逼迫を来す。
そういう面では、このエタノール問題は、環境の問題として大変重要でございます。この問題をやはり今後とも十分御審議願いまして、また沖縄、鹿児島においてはサトウキビをつくっているわけでありますから、これを有効な形で付加価値をつける。このためには、政府あるいは皆さん方が、委員の方々が、沖縄、鹿児島においてエタノールをどうやってつくって、環境問題にサトウキビを活用していくのか、そして、沖縄、鹿児島における特殊地域の問題についてどういう形で対応していくか、これを今後とも、この法律改正とともに御審議されることを心からお願い申し上げる次第であります。
また、砂糖については言われなき中傷がございまして、お砂糖を食べると太る、あるいはお砂糖を食べるから生活習慣病になる、あるいはそういうことが言われております。これは間違いであります。私も何年間もこれをやっておりますが、お砂糖ほど脳にすぐれたカロリーはないわけであります。
このことは、言うなれば、これからは首から上のカロリーが大変重要であります。砂糖だけは食べてから十分間で脳に行くわけでありますから。お菓子の需要もどんどん減っております。三時のおやつにお菓子を食べる、そのことによってお母さん方と子供たちの対話が出る、そのことによって犯罪がなくなる。やはりお砂糖というものは、脳にいいとともに家庭にすばらしい製品であります。この誤解というものを解いております。
御存じのように、砂糖については、先ほど申し上げましたように、三百万トンが二百万トンになったわけであります。糖尿病の患者につきましては、現実段階として千六百万人になっているわけであります。どうして砂糖が百万トン減っていて、何で糖尿病と因果関係があるのか、私にとっては理解できないわけでございますから、どうかひとつ、お砂糖をどんどん食べるように、先生方も教育の中でアピールしていただくことをお願いしたいと思います。
最後に私が申し上げたいことは、私は昔、マルハ大洋漁業という会社におりまして、南氷洋に四回参りました。そして、その中で、北海道においてもそうでございますが、経済専管水域二百海里という問題が出てきたわけであります。
その中で、日本の漁業はあらゆる外国に移管いたしまして、そこで開発する、そしてそれを日本に持ってくるという形にしたわけであります。現実、二百海里ができまして、日本の漁業は崩壊の状態にあります。これは外国資本にすべてを握られてしまったわけであります。御存じのように、カナダあるいはアラスカ海岸でとれますスケソウダラはすべてアメリカに占有されてしまったわけであります。
そういう面では、砂糖なり国内生産をやめてしまう、やめるということはどういうことを招くのか。
それからもう一つは、中国とかインドとか、いろいろな国で食料の生産を移管しておりますが、そのことは、中国に支配権を奪われるということは、日本の食物がなくなってしまう、高いものを買わなきゃいけない。これは、私は、二百海里の経済水域の設定の問題で痛感をしてまいりました。
皆さん方におかれましても、この資源問題、二百海里も同じだと思います。どうかそういう点について、大局的な見地から、今後ともいろいろの面で御議論願って、日本の農産物は金をかけても残すんだ、自給率を確保するんだということで、今後とも政策を推進されることをお願いいたしまして、私の公述人としての話を終了したいと思います。
どうもありがとうございました。
○飯島委員 自由民主党の飯島夕雁でございます。
本日は、質問の時間を与えていただき、ありがとうございます。また、公述人の皆様からは丁寧な御説明を大変ありがとうございました。
早速ですが、さきに久野様からお話がありましたように、私の地元北海道では、てん菜の生産が大変盛んでございます。その中で、砂糖の価格決定の過程を初めて学んだときに、国内産糖の企業が最低生産者価格以上で原料作物を買い入れた場合には、これに交付される交付金というのは、輸入糖からの調整金と国からの交付金により、国内産糖及び原料作物について助成されているという非常に複雑なシステムを学ぶことになりました。これは正直なかなか複雑な制度で、今回改めてわかりやすく御説明をいただいたことに感謝申し上げたいと思います。
てん菜の粗収益のうちの約五割は助成によるものである、サトウキビはさらに八割というふうに伺っております。原料価格については砂糖の販売価格を上回る水準で、こうした中、国内産糖の原料コスト、製造コストの一層の低減が必要であり、とりわけ供給コストの約六割を占めると言われる原料コストの低減ということが重要な課題と認識をしております。
こういったことを踏まえまして、質問をさせていただきたいと思います。
先ほど国内産のてん菜やサトウキビを絶対守るべきであると力強いお言葉をいただきました久野様に、この機会にいろいろお尋ねさせていただきたいと思うのです。
まず、私どもの地元では、今後の輸入状況によっては、国内産糖交付金のうちの調整金の方が減額してしまって、生産者への打撃が出てしまうのではないかと心配する声が大変上がっております。砂糖制度を維持することの妥当性についてはどのように考えておられますでしょうか。
また、法改正により市場原理などが導入される見込みですけれども、国内産糖助成財源というのは基本的に輸入糖調整金であるということについては変わりがないわけなので、そういった中で、加糖調製品の輸入増加は砂糖制度をいろいろな形で阻害していると思いますが、これについてはどうでしょうか。改めて御説明をいただきたいと思います。
○久野公述人 お答えいたします。
北海道におけるてん菜糖につきましては、北海道経済におきまして重要な位置づけにあります。これをやめることは、北海道経済に大変な打撃を与えるとともに、北海道の農産物全体のバランスが崩れるわけであります。
私はメーカーの社長でありまして、本当は砂糖を自由化すべきだという立場に立たねばならないわけであります。しかし、公平な考え方から申し上げますと、やはり日本の農業を維持していかなきゃいけない、そのためには、その効率化を図り、その中でこの全体のバランスをとっていくべきである、こう考えております。
現実段階として、この交付金に基づいて、北海道のビート大根というのは助成を受け市場に出ているわけであります。しかし、この輸入糖がどんどん減ってきているわけであります。基本的に言いますと、現在、輸入糖というのが百三十万トンぐらいであります。百三十万トンの輸入糖に調整金が課せられ、そしてそれが全体に助成になっているわけであります。国の負担は一〇%ぐらいであります。
そこで、やはり北海道におけるてん菜については、あらゆる品種改良をし、農家の人も一生懸命努力してここまで育成してきたわけでありますから、これを今後とも維持していくことが私は重要だと思っております。
また、その中で、国際的に砂糖の原料価格が大幅に上がってまいります。これは避けられないと思います。もっと上がってまいりますと、ビート大根、先ほど申し上げましたが、二・六倍ぐらい高いということでございますが、これが一・五倍ぐらいになるわけであります。そういう面で、全体の国際的な砂糖価格の上昇の中においては、この北海道のてん菜を生産しながら、そしてその中で価格をなるべく、そういう努力をしていただいて効率化して、国民の皆さんに提供していくということが一番大事なことだと私は思っているということでございます。
そういう面で、我々メーカー側としては、こんな例はないのであります。砂糖業界が、我々メーカーが市場に対してその保護財源を集めているのは砂糖以外にないわけであります。国民の皆さんはそれを理解していないわけであります。そういう面では、我々が果たしている役割というものが日本の農業を守り自給率につながっている、それだけの販売努力をしているということでございます。その中で、北海道のてん菜についても、品種改良とかあらゆる面で努力をされております。
そういうことを御理解願うとともに、それともう一つは、果たしてこの八〇%という、我々がメーカー側として消費者に負担をお願いしている問題について、公平な透明性を持った仕組みにしていかねば、国民の皆さん、消費者の皆さんが御理解できないんじゃないか。
あわせて、この加糖調製品、ソルビトール調製品とか、言うなればソルビトールが十七%で砂糖が八三%とか、こういうことでございますね。これについては、砂糖と同じ種類でございます。ですから、今、この加糖調製品というのが日本に四十万トン入ってくる。これが六十万トンになれば国内産糖に影響するわけですから、加糖調製品についても、北海道の農業経済を維持していくという立場に立てば、何らかの公平な仕組みを国として勇気を持って対処してもらわねばならないときが来たんじゃないか。
今、加糖調製品というのは日本に四十万トン入ってきております。これが入ってこないと仮定しますと、年間で約百二十億ぐらいの調整金が輸入糖からふえるわけであります。その分が北海道の経済に行くわけですから、大きい問題だと思っております。
どうかその辺についての価格構成を御理解願いまして、ぜひとも、砂糖大根については一生懸命努力しておりますから、これについては今後の国際的な市場、砂糖の市場を含めまして、御理解を願えればありがたいと思っております。
以上でございます。
○飯島委員 ありがとうございます。
私自身も、北海道農業のバランスを欠いてはならないというふうに思います。
また、輸入品百三十万トンという膨大な数字、そしてまたメーカーが負担して販売努力をしてくださっているという砂糖ならではの特性について、やはり認識しながらやっていかなければならないなということを感じております。
今のお答えと重複して大変恐縮なんですけれども、やはりこれからの日本農業においては、食の安全、安心を重視した生産を目指すということが、日本産ならではの農産品として輸入品との差別化を図ることができるのではないかというふうに私自身は考えるのです。
砂糖は、現在、供給過剰という状況でございまして、その背景には、さきにお話しくださいましたように、加糖調製品の問題、それから加糖あんに代表されるような海外からの加糖製品の影響が大変大きい。また、これら輸入品は原産国表示の義務もありませんので、そういった意味で、安心、安全の視点からは疑問が残るのではないかというふうに考えております。
日本人の食の安全の視点、またさらには日本農業を守る、北海道農業を守る、北海道農業だけ言ってはいけないですね、日本の農業を守るという視点で考えたときに、本当にこれから今後さまざまな政策を講じる必要があると思いまして、その中で、今、久野様からもお話をいただいたんですが、より具体的にはどうしたらよいとお考えでしょうか。
○久野公述人 残念ながら、この砂糖というのが無視されているわけですね。やはりもっと甘味に関する理解を国民の皆さん方にしていただかなきゃいけないと思っております。
最近では、先ほど申し上げましたように、砂糖を食べると太るよとか、砂糖は生活習慣病だ、こういうことでございます。これならば、明治三十四年から砂糖についてはこれだけの消費税がかかってきたわけですから、これは国家的に決して認めちゃいけないことだと思います。これは、体に害があるものを国が税金をたくさん取ってやっていたということは、私は理解に苦しむわけであります。国際的にも、WHOでも、砂糖は安全だということは明確になっております。
そして、砂糖は甘味だけじゃないんです。砂糖というのは自然の防腐剤なんですね、はっきり申しまして。お菓子とかあるいは漬物に使っておりますのは、砂糖を入れることによって、カステラ内、お菓子の中に水が発生しますと、砂糖がそれを包んじゃうんですね。そのことによって、三週間なり自然にもつわけであります。砂糖はすごい防腐剤なんです。甘味だけじゃないんです。先ほど化粧品の話が出ましたが、お砂糖はとにかく大変な保湿性を持っているわけであります。そのことによって腐敗を防止しているわけであります。
私は、横浜の市長さんにも前に申し上げましたが、横浜市民というのは三百五十万人おります。しかし、日本の政府の防災対策の中には、砂糖を防災対策として使えというものはないわけであります。私どもの工場は横浜にあります。二千トンありますと、この横浜市民が、砂糖をかじりながら二週間、地震あるいは防災の中でやっていけるということであります。
しかし、真夏に地震が起こりますと、実際問題として、今、冷凍、冷蔵の時代ですから、日本の冷蔵庫が全部とまっちゃいます。東京から横浜に約四百五十万トンの穀物が冷凍化されているわけです。この大都市に地震が来たら、そのときに何を食べたらいいかということになれば、砂糖以外にないんですね。登山等で遭難に遭ったときも砂糖を食べております。また、砂糖ほど安全な品物はないわけであります。最近、お菓子の需要もどんどん減ってきまして、私は全国和菓子振興会の会長をやっておりまして、何とか皆さん方に、日本の伝統的な、心のふるさとである和菓子を食べていただきたいということをアピールしているわけであります。
そういうことを理解していただく国民的な土壌あるいは政治的な土壌の中で、やはり、この甘味資源を競争力がなくても競争力をつけながら守っていくことが、北海道経済なり、あるいは沖縄、鹿児島の特殊地域におけるサトウキビというのが、そこで、沖縄、鹿児島の離島の人も安心して、それが採算がとれなくても一生懸命努力しながら、それは担い手が少なくなっていることは事実であります。そういう点に、具体的な政策をやっていくことが重要だと私は思います。
私も何回か聞きました。もう沖縄、鹿児島でサトウキビはつくるべきじゃない。それでは、実際問題として、離島で何かつくる農産物があるのか、沖縄でつくる農産物があるかということになれば、ないわけでありまして、ただ、それについては、ある程度の経済性を、マインドを、つくっている人にもやはりきちんと調整しながら、その中で公平なバランスのとれた仕組みをつくっていかねばならない。
私の方は、三分の二は外国から砂糖の原料を輸入し、三分の一を国産糖で賄っている。そして、その財源をなるべく透明で公平にしていくことが、この甘味資源を日本で守るもとになると思います。
私は、甘いものがなければ、脳が動かないわけですから、本当に日本は滅びてしまうんじゃないか、こう思っております。
どうかよろしくお願いします。
○飯島委員 ありがとうございます。
以前、私は病院勤務もしておったんですが、こんなに大きなリンゲル液を点滴で体に入れるよりも、口からおまんじゅうを一個食べた方がどれほど価値があるかということを現場の中で見てまいりました。そういう意味でも、やはり砂糖というものの重要性ということは十分に理解しております。これをさらに広げていく努力が必要なんだと思います。
また、お話にありましたように、競争力をつけていくということが一つのキーワードになるかと思うのですが、ここで、ちょっと幾つか地元の取り組みについて御相談させていただきたいと思います。
諸外国との生産条件格差を是正するための対策とか、てん菜の過去実績についての話になるわけなんですけれども、地元のてん菜農家においては、現在、産糖量の取引に移行しておりまして、糖分の高いてん菜の生産を行うということで、生産者の方が取り組んでおられます。過去実績の算定に当たっては、産糖量を基本とした算定を行うべきという考え方もあるのですが、それについてはいかがでしょうか。
○久野公述人 お答えしたいと思います。
これは、糖度のいいものをつくるように、てん菜についてもサトウキビについても求められ、いいものをつくってきているわけであります。てん菜も非常に質がよくなっている。糖度がよければ、それだけ製品としていいものが出てくるということでございます。この辺については、北海道におけるビート農家につきましても最大限の努力をしてきているんじゃないか。
したがって、今後は、やはり糖度をもっともっと上げていただく。しかし、これは天候によって糖度が低かったりいろいろするわけであります。かつまた、その中で、北海道のてん菜については、いろいろと気象条件がありますから、増産するときと減産するときがあるわけであります。私は、そういう面では、北海道の経済全体、今中心になっているのはこのてん菜糖だと思います。したがって、増産になったら、それをやはり国で備蓄していくべきだ、こう思っております。もちろん、備蓄コストがかかることは事実でありますが、それぐらいはやはり国の方で助成していただいて、やはり北海道全体の農業経済があるいは北海道全体の経済が円滑に動くようにすべきだ、そういうことでございます。
ですから、糖度がどんどんそういう点で上がってくる。ただ、てん菜糖についても、相当程度工場を合理化してまいっております。あるいは、そういう面で工場を集約化している、あるいは今そういう途中にあります。最大限努力しております。
その中で、農家との連動があれば、もっといい品物ができて、現実は、もう本当にサトウキビの原料と変わらないようなてん菜の砂糖が出てきているわけですから、これは喜ばしいことだ、こう思っているということであります。これは自信を持ってやってもらわねばならないことだと思います。
よろしくお願いしたいと思います。
○飯島委員 どうもありがとうございます。
私の事務所では、おいでくださったお客様に、できるだけ地元のブランドを知ってもらいたいということで、地元の特産品をお出しするようにしております。例えば、コーヒーをお出しした場合には、スティックシュガーは、北海道のてん菜、ビートのスティックシュガーを使っているんです。
久野様のお立場で、改めてお尋ねしたいんですが、今うちの事務所で使っているのは、日本甜茶製糖株式会社とか、あと日本ビート糖業協会のものなんですけれども、ただ、少し残念だなと思うのは、パッケージデザインにポケットシュガーというふうに書いてあるだけのものがとても多いんです。北海道産ビート糖と書いてくれていると非常にわかりやすいんですけれども、一見すると普通のポケットシュガーで、その地域のものである、あるいは国産品であるということがわからない状況のものが多くて、そういった部分で残念だなということを少し感じております。
それで、砂糖の必要性、砂糖の普及、国産品がこれだけ努力して、先ほどお話しいただきましたように、努力していいものができ上がってきているということをこれからさらに広めていくためには、国内産のものであるということ、あるいはどこどこ産のものであるということ、ビートであるあるいはサトウキビである、そういった表示がきちんとされて、消費者の方にわかりやすい形で消費してもらうことが、また何がしかの効果を生み出すのではないかと思うのですが、その辺についての取り組みはいかがでしょうか。
○久野公述人 今先生のお話は、生活者の立場に立たれて、かつまた、北海道のそういう品目について、そういうようなビート砂糖とは何だろう、大体ビート、てん菜糖とは何だろう。それは大多数の国民の皆さんが知らないと思います。したがって、それは、北海道でつくられるてん菜糖について、やはりそういうような商品の紹介なりをもっと徹底的にやらなきゃいけないときが来たと思います。
そして、残念なことには、ご存じのように、先生方もそうでしょうが、三グラムの砂糖なんですね、あれは。昔は六グラムなり八グラムありました。小さくなっちゃっているんですね。砂糖は害があるからと。とんでもない話だと思います。これはもう全く害がないわけで、本当は、三十グラムや二十グラムぐらいのシュガーをつくりまして、それをコーヒー一杯に入れていくということでなければならない、そう思っております。
ですから、やはりてん菜糖についても全く国民の理解がない、消費者の理解がない。だから、先生の事務所にあるものについても、てん菜糖という、てん菜はこういう形でできるんだともっとブランドを提供しなきゃいけないと思います。
きょうは、砂糖の宣伝の本を置いてありますが、私は、幼稚園から全体に対して、絵本で、お砂糖というのはこういうものなんですよ、そして、どういう形でつくっているのか、国際的にどうなのかということをアピールしてきたわけでありますが、そうすると、子供たち、お母さんが初めてそれを理解するということであります。
今どきは、料理教室に行きますと、料理の先生が、お砂糖は害があるから使わないでおきなさいというのが教科書になっているんですね。これは全く間違いなんですね。そういう点から是正していかないと、お砂糖というこれだけいいものが無視されちゃう。
ですから、例えば、ノンシュガーというのがあります。これは無糖だ。私どもは、本当は、この無糖だとかノンシュガーは、砂糖に対する侮辱だと思っております。とんでもない話だ。ノンシュガーが正しいのか。ノンというのは、本当は砂糖に対する名誉毀損だと思っております。本当はそういうことをやめさせなきゃいけないと思います。正直言いまして。そこまでいって、てん菜というのが理解できるんじゃないか、こう思っておりますから、よろしくお願いしたいと思います。
○飯島委員 やはり、てん菜というものが本当に知られていないと思います。もちろん、私自身も、恥ずかしい話ですが、こういう機会を得るまではてん菜という葉っぱをさわることすらないまま大きくなってしまいました。そして砂糖が最初から白いものだと思っておりました。こういったことについて、やなり教育普及、いろいろな、農水の分野だけでなく文部科学の分野も含めて広く啓蒙していかなければいけないと思います。
終了時間の紙が来たので、いろいろ質問したかったんですが、これで終わりにしたいと思います。久野様始め公述人の皆様からは本当に貴重なご意見をいただきましたことを改めて感謝しまして、質問を終わりとしたいと思います。
どうもありがとうございました。
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