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農業とその関連産業は、地域社会を支える産業として重要な役割を果たしている。
また、農業の多面的な機能は、食料の安定的な供給、国土の保全、緑豊かな農村社会の維持という面で、
我が国に必要不可欠なものであり、農業を通じて形づくられている美しい田園は、我が国の伝統と文化の源泉として、
都市に住む人々にも憩いや安らぎを与えている。
我が国は、このような農業の役割を踏まえ、これまで「多様な農業の共存」が可能となる貿易ルールの確立を目指し、
WTO交渉に積極的に貢献してきた。
こうした中で、日豪EPAにおいて課題となる分野は、コメ、小麦、牛肉、乳製品、砂糖、林水産物など我が国にとって
極めて重要な品目であり、これらの品目における日豪両国の生産力格差は極めて大きく、EPAにより関税撤廃が
行われれば、現在、全国規模で進められている農政改革の努力を無に帰し、農業、その関連産業、更には、地域経済を
崩壊に導くのみならず、我が国の美しい田園や伝統文化の源泉を我々の世代で失ってしまうことにもなりかねない。
「美しい国」を将来の国民に残すためにも、これらに十分留意する必要がある。
また、これは、日豪間の問題に止まらず、米国、カナダなどといった国からの更なる自由化要求につながり、
極めて難しい国際貿易問題を惹起する可能性もある。
農林水産物貿易調査会としては、農林水産団体の意見要望を踏まえつつ議論を行い、農林部会、水産部会の代表とともに、
政府に対して申入れを積極的に行ってきた。共同研究会報告は、その成果として、「除外」又は「再協議」の枠組みを
得ることができたところである。
以上のことから、次を条件として、政府が交渉を行うことを容認するものである。
1.コメ、麦、牛肉、乳製品、砂糖をはじめとする重要な農林水産(重要品目)が、除外又は再協議の対象となるよう、
政府一体となって全力を挙げて交渉すること。
2.現在進行中のWTOの交渉方針との整合性を図るとともに、米国、カナダ等との間の農林水産物貿易に与える影響について
十分留意すること。
3.1.及び2.の原則に基づいて、政府全体として、交渉期間を定めず、交渉締結を急ぐことなく、粘り強く交渉すること。
豪州側が我が国の重要品目の柔軟性について十分配慮しない場合は、政府は交渉の継続についても中断を含め厳しい判断をもって臨むこと。
4.交渉を進める中においても、国内農林水産業の構造的改革の努力を加速し、国際競争力の強化につながるよう全力を挙げるとともに、
交渉の帰趨いかんでは、国内農林水産業、関連産業及び地域経済に及ぼす影響が甚大であることを十分に踏まえて、政府を挙げて対応すること。
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