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○桝屋委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。飯島夕雁君。
○飯島委員 自由民主党北海道選出の飯島夕雁でございます。このたびは、質問の機会を与えていただきましてありがとうございます。
まず、この場をかりて、さきの伊吹文部科学大臣の力強い所信表明に敬意を表します。
それから、少し前のことになりますが、いじめに悩んでいる子供たちへ大臣から直接メッセージをしていただいたことがございます。私の地元で、一人の子供が、あの大臣さんが子供に話をしてくれたという反応を示した子供がおりました。受けとめ方は十人十色かもしれませんけれども、しかし、実際に勇気をもらった子供が一人でもいるということは大変大きなことであると思います。
それから、きょうテレビを見ていましたら、文部大臣が、一部の心ない教師もいるけれども、光の当たらないところで本当に頑張っている先生もいるんだというようなコメントを報道に対してされているのをテレビ番組のシーンで見ました。実際に、私自身も教育長という職業をしておりました経緯の中で、教育現場で本当に身を粉にして、自分の生活の中にも子供の人生を重ね合わせ、また休みの日も部活に専念して、休日返上で頑張っている、そういう先生方もたくさんおられます。
一部の心ない教員の言動、こういったものがクローズアップされがちでありますが、教育現場の果たすべき役割と、その中で、よくないものはきちんと正しながらも、やはり頑張っている人たちにはしっかりその評価を国がしていく、そういう姿勢をこれからもこの文部科学委員会では示していかなければならないのではないかと思っております。
さて、そういったことを踏まえまして、昨今の子供たちを取り巻く環境の難しさ、また自殺やいじめの多発している具体的な現状、こういったことについて改めて大臣にお伺いしたいと思います。
私自身は、今の子供たちに、命の大切さとか、また生きることや死ぬことの意味というものを実感を持って学んでもらう機会を、いろいろな場面で積極的に、あらゆる場面でするべきだというふうに考えております。また、なかなか集団行動ができなくなっていると言われる現在ですけれども、お互い子供同士が認め合って協力をする、理解をするという力をはぐくむためにも、例えば今二泊三日の体験学習みたいなものがありますが、ある程度の日数でないと、子供たちはプランに乗ったお客さん的な状況で終わってしまうことが多々あります。私は、これを乗り越えるさらに長い時間、短期間のものではない、ある一定程度の期間を集団で過ごすという体験をぜひとも取り込んでいくことが学校現場の中にも必要ではないかというふうに考えています。
一つの例として、酪農教育というのがあるんですけれども、これを学校授業に取り込んだ例がございました。継続して、えさをやりまして、また牛ふんを片づける、こういった作業を通じて命をはぐくむことを学んだ。また、ちょうど母牛が難産だったそうなんですけれども、結果それは死産だったということなんですが、その現場を見ていた子供たちは、生まれてくるということの大変さ、それからやむを得ず死んでしまうということの悲しさ、こういうものを大変心の中にしみ込ませたというふうに伺っております。やはり、子供たちは、乾いたスポンジのように、環境があればいろいろなことを吸収し、またそういったことを作文に一生懸命書いたそうでございます。そういったことも含めまして、酪農教育というものも大変いい教育の一つのきっかけになるのではないかというふうに感じております。
また、酪農の場合は、種つけという形で、とかくナイーブになりがちな性教育についても自然な形で勉強することができます。
こういったものを大いに取り込んで、今、心や、いろいろなものを問われている教育というものについて、ぜひ大臣の思いというものを一言いただければと思います。
○伊吹国務大臣 先般、各党の御協力をいただきまして成立をいたしました改正教育基本法にも、「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養う」ということが「教育の目標」に入っております。
いじめその他の現状を見るにつけ、他人を尊重する、生きているものに対する姿勢、こういうものがやはり非常に私は薄れていると思います。
ですから、先生がおっしゃった酪農の教育というものも当然でございましょうし、酪農の結果、卵その他が生まれてくるわけですね。そして同時に、先生のお地元でいえば、バレイショ、トウモロコシ、これはもうみんな命なんですね。食育という場を通じて、命をいただきながら私たちの命は保たれているということもまた理解しなければいけません。
総合学習という制度がございますから、その中で、地域地域の学校が、特に北海道はもう酪農、農業の一番大きな地方自治体ですから、おのおのの教育委員会が、あるいは学校現場が特色のある学習をやっていただくということは、御指摘のように極めていいことだと思いますし、また、全国の教育委員会の担当者が集まった場合にも、おのおのの地域の実情に応じて総合学習の時間を使うように私たちからも話をしたいと思っております。
○飯島委員 大変ありがとうございました。
やはり学校現場が柔軟に、なかなか学校カリキュラムが、年間を通じて非常にスケジュールが過密であるという中で、いろいろな取り組みにまだまだ消極的な部分があると思いますが、弾力的に学校現場がいろいろなものに取り組めるように、ぜひまた支援策を講じていただきたいというふうに思います。
それでは、文部科学省の方に早速お尋ねをしたいのですけれども、今大臣がおっしゃっていただきましたように、義務教育という、学校の、共同生活の場というのは、多くの学びの場として大変有効であると思います。こういった中で改めて学校教育、特に小学校、中学校の義務教育の大切さというものを見直すべきときだというふうに考えておりますが、このような時期に、今、中高一貫教育とか、それから学校選択制という言葉も片方では飛び交っております。
ところが、私自身の選挙区の方に目を落としたときに、それ自体を否定するものではないのですが、実際には、少子高齢化が進みまして、高等学校が削減傾向にあります。それから、学区域も大変広いエリアにありますので、学校を選択することが現実的に難しい、そういうこともございます。そういった中で、やはり、都会のように塾もありませんし、義務教育にかける周囲の期待というのは非常に大きいわけです。
ですので、何としても、やはり小学校、中学校というものが、中高一貫校も学校選択制もいいでしょうが、まず地元の小学校、中学校、この義務教育というものが果たす役割というのを、どこの地域においても、日本各地、全国、都市であろうが僻地であろうが、地方であろうが過疎地であろうが離島であろうが、同じようにしっかり教育を受けられるという体制をどのようにつくっているか、文部科学省の方に改めてお尋ねしたいと思います。
○銭谷政府参考人 義務教育は全国で行われる教育でございますので、全国どの地域にありましても、学習指導要領に基づきまして一定の水準の教育を実施していただく必要があるというふうに考えております。そのための必要な財政的な措置も、教職員給与費の負担等を通じまして、国として行っているところでございます。
また、ただいまお話がございましたように、地域によりましては、学校選択ですとか中高一貫教育とか、現在進められているさまざまな取り組みができないところがあるわけでございますけれども、そういう地域の小中学校におきましても、それぞれの地域の実情に応じて、それぞれの学校がさまざまなアイデアを凝らして特色ある学校づくりを進めていくということが大切だと思っております。
例えば、僻地や離島などにおきましても、小学生、中学生がともに同じ敷地内で学ぶという利点を生かした小中連携を進める教育でございますとか、あるいは他校との交流学習を積極的に取り入れるとか、あるいは周辺の自然環境を生かしまして、まさに地の利を生かした農業の体験学習を学校独自の教育として積極的に取り組むとか、こういった意義のある取り組みが見られるところでございます。
実際に、私ども文部科学省といたしましても、モデル事業でございますけれども、豊かな体験活動推進事業というものを実施いたしておりますけれども、こういった事業の中でこのような取り組みを推進しているところでございます。
○飯島委員 ありがとうございます。
なかなか、都会と地方でコンプレックスが生まれてしまうような傾向がございます。何でも都会の方に行けば最先端の、お医者さんもそうですけれども、最先端の技術が身につけられる、それで医療過疎地ができてしまう。ですけれども、子供については、やはり田舎から都会に流れが行ってしまっている現状がわずかありますけれども、でも地方には学べるフィールドが、今おっしゃったようにたくさんあるということをよりもっともっと発信していただきまして、地方へ逆に学びに来るという新しい流れができるように、ぜひ文部科学省でもこの豊かな学校教育の取り組みについてPRの方をさらに進めていただければ幸いに存じています。
引き続き、地元の方に目を落としました場合に、地域には農業高校とか水産高校といったものもあります。都会には商業高校、工業高校といったものがあるかと思いますけれども、こういった専門高校についてちょっと考えてみたいと思います。
高校進学率が高まった現在に、普通科をどうしても選択する傾向が強いようですけれども、私自身が、専門教育を志した子供たちがやはりその分野できわめていってもらいたいというような思いも持っております。また、実際に現実のところでは、農業高校や水産高校に入学した子供さんたちを見ましても、即、卒業後に地元の一次産業に携わっているわけではありません。先に農業大学や水産大学などにさらに進学するというケースもありますが、そうした場合は一次産業の研究分野のような方に行ってしまいまして、片や地元の農業地帯や水産地帯では、若い担い手がいないまま、やはり後継者不足に悩んでいるという状況が起きております。
できれば、そういった専門高校を卒業した子供たちが若い担い手として現場で活躍してくれることを望むわけですけれども、そういう中で、普通科の高等学校以上にこの農業高校や水産高校といった、ともすると、普通科がまずあってそれ以外に専門高校があるというような位置づけに思われがちな専門高校がもっと魅力を出して、ぜひそこに入りたいというように子供たちが思うような、選択ができるような施策というものは何か取り組みをされておられますでしょうか。
○銭谷政府参考人 農業や水産業などの地域産業の担い手の育成に当たります専門高校の活性化を図るということは私どもも大きな課題だと思っております。
私どもが実施をしております事業といたしましては、例えば、平成十五年度から、地域の大学等と連携をして先端的な教育に取り組む専門高校を支援する目指せスペシャリスト事業というものを実施いたしております。例えば、北海道の例で申し上げますと、岩見沢農業高校では、北海道屈指の豪雪地帯という地域の特性を生かしまして、地域農業と連携を図りながら、雪の冷熱エネルギーを利用いたしました農産物生産の栽培技術の開発を実施しているといったような例がございます。
また、専門高校の活性化のために、このほかに、地域の産業界と連携をいたしまして、学校での教育と企業実習を組み合わせました実践的な職業教育を行う事業を実施したり、さらに、十九年度から新たに、経済産業省とも共同いたしまして、専門高校と地域産業界が連携して若手の物づくり人材を育成するための事業なども実施することを予定いたしております。
こういった観点から、関係省庁とも連携を十分に図りながら、専門高校の一層の活性化を図ってまいりたいと考えております。
○飯島委員 ありがとうございます。
党の農林水産部会等でも、若い担い手の育成ということで、農業高校、水産高校にしっかりと光を当てていきましょうという一言が入っているんですけれども、やはりこういったものは各省庁連携して省庁横断的に取り組んでいかなければならない事柄かと思います。
私個人の発想なんですけれども、かつて自分が大学に行っていたころに、もし教員の免状を取ってその現場で働けば奨学金を返さなくてもいいよというのがありまして、結局私は、そういう、教育長になったのがずっと後だったので、奨学金を返さなきゃいけなくなっちゃったんですけれども、例えば、農業高校に行って将来農業に従事したら学費が返納されるとか、あるいは、今営農支援とか集落営農とか農業分野ではやっていますが、専門の研究機関のスペシャリストではなくても、現場の指導員になれるとか、何かやはり、農業高校を出た、水産高校を出たということになれば、その期間にこれだけのいろいろな、特典と言ったら変ですけれども、こういったものがありますよ、ですからぜひとも、こういうところに入るとそういう方向に将来行くのであればいいですよということを、やはりより具体的に、子供たちが選択できるようなオプションをよりつけていただいて、日本の貴重な一次産業をある意味では主体的に守っていくということも大切なのではないかと思いますので、これからぜひ画期的なアイデアを御検討いただけますようによろしくお願いいたします。
質疑時間が五分という連絡が入りましたので、なかなか与党は短い質問時間しかもらえないのが残念でございます。あちこち話が飛んでしまうので恐縮なんですけれども、残りの時間にぜひともちょっと一つだけ、また専門学校のあり方についてお尋ねしたい件がございますので、よろしくお願いします。
これは医療現場の実情と看護学校のあり方についてのことなんですけれども、例えば、看護学校では、職業についた新卒の看護師さんというのが、就職してから、現場で一人でまずできますと認識している技術というのを調べましたところ、実は、基本的なベッドメーキングとか、基本的なリネンの交換、それから呼吸とか脈拍とか体温、血圧の測定とか、身長、体重を正しく測定するといった、本当に基本的な四項目ぐらいしかないということが明らかになっております。
こういった状況の中で、今度は、入職から三カ月たっても、緊急時の気道確保とかそういったことについてはやはりまだ自信がないなという人が三割近くもいるんですね。入職三カ月といいますと、そろそろ先輩たちの手を離れて、夜勤も一人でやらなきゃいけないというような事態も起きてきます。一生懸命頑張って現場を支えてきた看護師さんたちは責任感も強いので、夜勤の重圧と、自分ができないというふがいなさで、三カ月を一つの節目にしてやめていってしまうという人たちが大変多いというふうにも聞いております。
こういった状態は、今看護師不足と言われている中で、免許をせっかく取得したのにもったいないということも一つありますし、事現場においては、危険な医療行為、医療補助ということになってしまいます。医療事故が起きないようにするためにも、また夢や希望を持った看護師さんがしっかりとその精神を全うできるためにも、お互いのためにも、やはりトータルの、さらなる教育の拡充というのが必要なんじゃないかということを感じざるを得ません。
お医者さんの方に目を落としてみますと、やはり臨床経験が必要だねということで、臨床経験二年間が追加されました。これによって現場の医師の不足とかいろいろな問題も起きてはいるんですけれども、やはり現場の経験をたくさん積むということが医療ミスやヒヤリ・ハットを防ぐということで大切なのだと思います。薬剤師さんにおいても歯科医師さんについても、やはりそれぞれの時代に応じたいろいろな教育が加えられております。
ところが、看護教育については五十年以上も以前のまま。現場については、訪問看護とか在宅介護とか老年看護とか、いろいろな分野がさらにふえている。こういう逆行する中でぜひとも看護教育のあり方というものも今見直すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○清水政府参考人 看護教育のあり方についてのお尋ねでございました。また、先生御指摘の中で、医療現場における看護師の卒後研修といいますか、全体の生涯研修の体制というお話もございました。
まず、まさに医療現場に出た看護師さんという形で、私ども、医療現場としては大学の病院を抱えております。今、卒後研修においては、すべての大学病院で、そういう意味ではかなりマンツーマンの指導体制をとっておりまして、採用した看護職員についてその実務能力、実践能力をいかに高めていくか、これは喫緊の課題として、例えば接遇のみならず安全管理、あるいはいろいろな意味での、例えば導尿、採血、吸入等々の機器の習熟、あるいはインシデントの分析等々、まさに医療チームの一員として看護師さんに活躍していただく。そして、まさに、職については、入職の不安をどうなくしていくかという観点からの研修等が行われているという実態がございます。
そういう意味で、看護師の養成は、御指摘のように、専修学校が大体六割、大学、短大等々で行われているというふうな状況にあるわけでございますが、専修学校それ自体については、例えば、厚労省さんでいろいろな看護師のカリキュラムについて指定の要件等々を定め、そして私ども大学におきましては、学部教育ですべての看護学生が卒業までに学ぶべき学習内容として、例えば、実践能力にポイントを置きまして、ヒューマンケアの基本、あるいはケア環境、チーム体制の整備とか、さまざまな区分に基づいて到達目標を定める、こういう形でやっております。
いずれにしても、臨床、臨地実習の充実を初め、実践能力をどう身につけさせるかというのが大きな課題でございます。今御指摘の卒後研修のあり方について、全体のさまざまな医療現場での卒後研修をどうするかというようなことについて、厚労省で来年度より、いろいろそのあり方についての検討も始まっております。そういう中で、私ども、厚労省と協力しながら、全体として看護職員の資質あるいは養成の向上のために努めていきたい、このように考えております。
○飯島委員 ありがとうございました。
このたびは、義務教育から高等学校、専門教育にまで、ちょっと幅広く、上の方だけを質問させていただきましたけれども、ぜひとも、それぞれの子供たち、生徒学生がその時期、その時代のニーズに合わせてしっかりと教育が受けられる体制づくりのために、現実性を帯びた議論をこれからもしていきたいと思いますので、どうもありがとうございました。
質問時間が参りましたので、これで終了いたします。
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