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○伊吹文明君自由民主党の伊吹文明です。
自由民主党並びに無所属の会を代表し、福
田総理の所信に対し、質問をいたします。
(
拍手)
まず最初に、臨時国会冒頭における安倍前
総理の辞任表明の後、福田新内閣発足までの
間、新総裁選出という我が党の事情により二
週間以上もの貴重な時間を費やしたことを、
国民の皆様、また各党の同僚の議員各位に対
し、深くおわび申し上げます。
また、ミャンマーで取材中に不慮の死を遂
げられた通信社記者、長井健司さんに心より
お悔やみを申し上げます。パスポートの発行
は、日本の国民の生命や権利を渡航先の国の
ルールに従い守っていただくということです。
政府は、この点を再確認し、ミャンマー政府
に対し事実関係の解明と適切な対応を求める
とともに、渡航先の国々の治安状況を国民に
周知させる努力を強く要請いたします。
さて、我が国は、内外を問わず厳しい状況
に置かれております。自由民主党は、友党で
ある与党公明党とともに、この難局に直面し、
その使命を果たさんとする福田新総理を支え、
国民のために、謙虚に着実に課題を克服し、
結果を出していく決意であることをお約束い
たします。
在任一年という短い期間でしたが、教育基
本法や憲法改正国民投票法など、だれもが必
要であると考えながらなし遂げ得なかった、
本来、政治が果たさねばならない国家の基本
問題に改革の道筋をつけ、志半ばに健康問題
で辞任された安倍総理に対し、心よりねぎら
いを申し上げ、一日も早い御快癒をお祈り申
し上げます。
福田総理、私は、国政の現状を一刻の猶予
もならないと申し上げました。国内では、こ
としの夏の豪雨や台風、また中越沖地震等の
災害により、大きな被害が生じています。被
災者の方々にお見舞いを申し上げ、今なお避
難生活を余儀なくされている事態に対し、政
府に万全の対策を求め、与党もしっかり対応
することをお約束いたします。
また、米国のサブプライムローン問題に起
因する外国為替市場の不安から国内経済をど
う守るか、長寿・少子化時代の社会保障の将
来展望を国民にどう示すか、バブル経済崩壊
から日本を立ち直らせるための構造改革の痛
み、副作用をいかに克服するか等々、まさに
難問山積であります。
一方、国際情勢はどうでしょう。安定した
日米同盟と国連中心の国際協調のもと、我が
国は、国際社会で信頼される国家として平和
な歩みを続けてきました。しかし、世界の平
和と繁栄への協力と貢献が、今、水泡に帰し
かねない危機にあります。信頼は得るより取
り戻すことが難しいだけに、日本の外交、安
全保障政策の基本をもう一度再確認しなけれ
ばなりません。
福田政権は、このような多事多難の中を船
出しています。
私はここで、あえて野党、特に参議院の第
一党となられた民主党の皆様、そしてこの国
会中継をごらんいただいている国民の皆様に
申し上げたいことがございます。
憲法は国会の二院制を定めております。国
民と国家を第一に考えるのが立法府の使命で
あります。であれば、衆議院、参議院の別な
く、また与党、野党の別なく、二つの院の第
一党は、党利党略ではなく、国民の幸せのた
め、提案し、議論し合い、合意を出して政治
を前に進めることが政党の責務ではないでし
ょうか。
残念ながら、我が党は、さきの参議院選で
民意を得られず敗北した事実を謙虚に受けと
めるものであります。その上で申し上げれば、
民主党は、政府の法案に反対し、直近の民意
は政権交代であるとして早期の解散を、ただ
いまも鳩山幹事長は求められておりますが、
将来の衆議院選挙で与党が過半数を得た場合、
民主党の皆さんは、七月の参議院選挙は古い
民意であったとして、それまでの主張を放棄
されるのでありましょうか。多分そのような
行動はとられないでしょう。参議院の第一党
としての立場、主張は、常に貫かれるのでは
ありませんか。
本院の皆様一人一人の議員は民意の代表者
であり、参議院もまたしかりであります。と
すると、自民党も民主党も、お互いに衆参第
一党として責任を分担し、国民不在の自己主
張に陥ることなく、協力して国民の負託にこ
たえねばならないのではないでしょうか。
代表質問は所信の考えをただすものであり、
日本政治の一翼を担う参議院の第一党の党首、
残念ながら今、議席におられませんが、質問
はできませんけれども、あえて国民の判断を
お願いするために指摘しておきたいと存じま
す。
さて、福田総理が常に言われているように、
どのような立派な政策も、国民の信なくして
は実現できないは、まさに至言であります。
政権をお預かりしている我が党も、参議院で
過半数を得て法案を成立、不成立にさせる力
を持っておられる民主党初め野党の皆さんも、
政治全体の信頼回復に努め、本院に示された
民意、参議院に示された民意の上に、国民の
負託にこたえるよう、ともに努力をしようで
はありませんか。
福田総理、御尊父赳夫先生には、その人生
をつづった「回顧九十年」という滋味深い著
書があります。その中に、池田内閣当時の高
度成長と消費は美徳に対し、安定成長と節約
は美徳を掲げたとのくだりがあります。
政治は、政策を判断する尺度としての政治
理念と、それをいかに進めるかの政治手法の
二つによって動いています。政治手法につい
ていえば、スピード感とトップダウンの政治
に国民は少し疲れたと感じておられるのでは
ないでしょうか。民主主義や、それを担保す
る法制度は、本来時間のかかるものであり、
時には大衆を高揚させるポピュリズム型政治
により、大きく振れる欠点があります。しか
し、民主制は独裁制よりはるかにすぐれたも
のであることを歴史は証明しております。
福田総理、私は、今国民が望んでいるのは、
国民を信頼し、謙虚に説明をし、選良なる与
野党を含めた議員の経験と英知を結集し、堅
実に一歩一歩歩む、御尊父流に言えば、安定
した政治と謙虚さ、説得こそ美徳の政治手法
かと思います。どのような政治手法で臨まれ
るかをお伺いいたします。
その手法の上に取り戻さねばならぬ信頼は、
政治を預かる政治家への信頼、政治を具体化
する行政と地方自治体への信頼、国民が平和
に暮らしていけるための地球社会からの信頼
の三つであります。これにこたえるには、具
体化の裏づけが必ずしも十分でない約束手形
によるのではなく、実現可能な具体案を与野
党で提示し合い、話し合いを重ねて、現金決
済によって処理することであります。
その前提に立って、以下、政治資金、年金
問題、国際社会のテロとの闘いに対する我が
国の貢献の三点について質問をいたします。
まず、政治資金問題です。
国民の政治家に対する不信の最たるものは、
政治家が特別職の公務員であるにもかかわら
ず、一般の国民より優遇され、特権的な扱い
を受けているのではないかというものであり
ます。すべての政治家が、有権者のこの批判
を謙虚に受けとめ、特に政治資金の出と入り
の透明化のため、現実的な改革を行わねばな
りません。
その際、参考とすべきは民間企業の監査の
仕組みであります。民間企業には、すべての
支出について、一円から、領収書もしくはそ
れにかわるべき書類の徴収と保管を義務づけ
られております。しかし、企業活動の一つ一
つが競争相手たる他企業に知られないよう、
守秘義務を負った税理士、公認会計士等に領
収書等を提示することにより信頼性は担保さ
れているのであります。
政治家の日常活動の多くは、次の選挙をに
らんだ準備活動であります。したがって、政
治資金についても、一円以上のすべての支出
について領収書等の添付を義務づけた上で、
例えば、国会に設置する独立した第三者機関
の厳格なチェックを受けた後、一定額以上の
支出については当然公開するのが妥当な方法
であると存じます。
総理は、かねてより、民間の扱いと同様の、
第三者機関を通じた政治資金の透明性、公平
性確保の考えを示しておられます。その基本
的なお考えを示していただきたいと思います。
政治資金については、政治家により、一つ
の資金管理団体のみで政治活動を経理してい
る人、幾つもの政治団体により分別経理をし
ている人、政党支部で本来政党助成であるべ
き資金に頼っている人、地区委員会の経理に
依存している人、さまざまであります。した
がって、公開基準は、政治活動と選挙の公平
公正の見地からすべての政治家に共通のルー
ルとすべきで、与野党を超えて各党が議論し
ていく問題であります。私は、政治資金問題
について、具体的かつ実現可能性のある改革
案を得るため、各党間の協議を呼びかけるも
のであります。
次に、政府への信頼を大きく揺るがせてい
る年金問題について伺います。
年金を預かる社会保険庁のたび重なる行政
執行の不手際、怠慢に加え、社会保険庁や市
町村の職員が国民の血税に等しい年金保険料
を横領していた犯罪も発覚いたしました。答
弁は求めませんが、舛添厚生労働大臣、増田
総務大臣には、徹底した事実の解明と責任追
及をお願いしておきます。
社会保険庁については、旧国鉄が、管理者
と組合のなれ合いの結果、国民に多大な迷惑
をかけた事実を思い出させます。管理者と自
治労等労働組合の関係を完全に断ち切り、国
鉄民営化以上の決意を持って、非公務員型の
新組織を創設しなければなりません。総理に
社会保険庁改革の決意をお伺いいたします。
次に、五千万件以上の年金記録問題につい
て、政府は、来年三月までに未確認の記録の
名寄せを完了し、来年十月までにすべての年
金受給者、加入者に加入歴をねんきん特別便
としてお知らせするとしています。また、第
三者委員会での被保険者記録の相談、訂正も
全国で進んでいます。私はこの問題が認知さ
れてからの政府の対応は誠実であったと評価
しますが、過去数十年にわたり表面化しなか
ったこの問題に対する国民の不安解消には、
こうした対策を確実に、スピーディーに実現
し、信頼を得ていく以外、手だてがありませ
ん。年金記録問題解決への取り組みに対する
総理の決意をお伺いいたします。
すべての国民にとって、老後の安心の基本
は、安定した、信頼できる年金制度の構築で
あります。こうした観点から、平成十六年の
年金改革で、国民年金や厚生年金等の一部を
なす国民共通の基礎年金の国庫負担率の割合
を平成二十一年度までに二分の一へ引き上げ
ることが決定されました。
少子高齢化の進展など、社会情勢の変化に
対応する安定した制度運営のかぎは、いかに
して安定した財源を確保するかです。年金は、
みずから保険料を納めるという自助を基本に、
国民の税金による公助を加えた共助の仕組み
であります。国民共通の基礎年金について、
全額税で賄うべきとの主張があります。国民
共通の基礎年金は、四十年間の保険料の納付
により、国民年金または厚生年金等の一部と
して、六万六千円が支給されるものでありま
す。
基礎年金を全額税で賄う場合、年金保険料
を払ってきた人と払ってこなかった人がひと
しく扱われるという不公平、また、六十五歳
以上の人に満額を払った場合の所要額二十二
兆円を消費税を上げずに現行税制で賄う場合
には、所得税を払っている人の負担で払って
いない人の年金を負担することとなる不公平
感の問題があります。
私自身は、みずからの政治理念から、自助
を軽視した全額税方式にはくみしませんが、
二分の一の国庫負担にしろ、全額税方式にし
ろ、すべての人がひとしく受け取る基礎年金
の財源は、すべての人が負担する消費税で賄
うのが穏当な方法ではないでしょうか。しか
し、今、そのような消費税の引き上げが許さ
れる状況であるでしょうか。総理は年金国庫
負担二分の一の実現をどのような道筋で進め
ようとされるのか、お伺いいたします。
年金制度は、国民共通の財産です。少子高
齢社会、人口減少時代を迎えた我が国にとっ
て、急速に膨らんでいく年金の給付財源をす
べての国民が公平に負担する仕組みを確立し、
国民の将来不安を取り除くことは、与野党を
超えた責務ではないでしょうか。
民主党を初めとする野党の皆さんは、参議
院で過半数の議席を得たという、皆さんのお
っしゃる民意に今こそこたえるときではない
でしょうか。皆さんの主張される基礎年金の
全額税方式も、二分の一の税負担という方針
も、しょせん、基礎年金を安定させるため、
どこまで保険料でなく税に頼るかということ
です。とすれば、不公平感のない税体系のあ
り方、税の割合はどこまでか、その財源の実
現可能性はどうか等々、法案の成否を左右す
る力を持たれた今、野党の皆さんも私たちと
同様、政府と行政に責任を負う立場になられ
たのでありますから、財源の不確かな約束手
形ではなく、支払いが確実な現金ベースの具
体案を、協力して国民のために示そうではあ
りませんか。
政府においても、野党に協力を求め、真摯
かつ誠実に政府の考えている年金の将来像に
ついて説明をしていただきたいと思います。
総理の御決意をお伺いいたします。
第三は、国際社会での日本の信頼について
であります。
平和と安全はコストなしに手に入るとの思
い込みが日本国民にあると指摘した評論家が
おられました。しかし、現実の日本の安全保
障は、日米の安定した同盟関係と国連を中心
とするアジア等の世界の諸国との信頼関係の
上に構築されております。この信頼関係を損
なわぬため、それぞれの国の憲法、法律の範
囲の中で、おのおのの国が信頼にこたえる責
務を果たすことが大切なのであります。
今国会の最大の課題と言われるインド洋上
の給油等を可能とする法律の扱いは、まさに
この試金石であります。我々は、現行のテロ
特措法という国会の意思により、十一月一日
までは国際社会へのこの責務を果たすことが
できます。問題は、その後の国会の意思であ
ります。
私は、今この演壇に立ち、十五年前にベス
トセラーになった有力な、そして今もなお最
有力の政治家の著書の一節を思い出しており
ます。外交の一つの信念は、アメリカとの緊
密な関係の維持との前提で、この著者は、湾
岸戦争への百三十億ドル、当時の為替レート
で一兆七千億円のお金だけの貢献を厳しく批
判しておられます。私もそのとおりだと思い
ます。多国籍軍を主導した米国からの輸送機、
補給艦派遣要請にこたえなかったこと、掃海
艇派遣がおくれたことを批判しておられます。
テロとの闘いに参加している各国艦船への
インド洋上での現在の補給活動は、国連決議
に基づくものではないでしょうか。この点、
テロ特措法の所管大臣たる官房長官より御説
明をお願いいたします。
この著書「日本改造計画」の著者である小
沢民主党党首は、今議席にはおられませんが、
かつて我が自民党の幹事長時代、尊敬をもっ
て仰ぎ見ていた私は、小沢代表は今も変わら
ず党より国を愛しておられる信念の政治家で
あると確信いたしております。我が愛する日
本が国際社会で名誉ある地位を維持するため、
また過半数以上の国民がインド洋上の給油活
動継続を支持している最近の各種世論調査の
民意にこたえるためにも、民主党は、反対だ
けではなく、ぜひ現実的な対案を国民に示さ
れ、与野党協議の上、早急に結論を得ようで
はありませんか。
また、新聞、テレビなどで私の訴えをごら
んいただいている有権者の皆様には、現実問
題の具体的処理という政権担当能力を見きわ
めていただくよい機会ではないでしょうか。
福田総理、日本が国際社会での信頼を継続
できる根拠法案を国会にいつごろまでに提示
されるのか、また、話し合いによって結論を
得られるなら、その決意をお伺いいたします。
九・一一テロにより、私たちも二十四人の
同胞のとうとい命を失いました。国際社会は、
九・一一テロが自由と平和、国際秩序に対す
る重大な挑戦であり、破壊活動であると受け
とめたからこそ、国連決議一三六八号が中国
やロシアを含め全会一致で採択され、おのお
のの国はテロ掃討作戦に国内法の許す範囲で
参加しています。米英仏独初め、イスラム教
国をも含めて行われている不朽の自由作戦に、
我が国も給油活動を継続し、日本の物流のシ
ーレーンを守る中で、国際的な義務を果たし、
国際社会の信頼にこたえるべきだと考えます。
我が国の後方支援を国際社会が評価し、国
連の感謝決議も行われています。この特別措
置法の期限が切れる十一月一日以降の法的根
拠について、我々与党も民主党に対し、大局
的な観点に立った協力を粘り強く呼びかけて
まいります。政府においても、早急に新たな
法案の骨子を取りまとめ、野党とも一緒に協
議を始めていただきたいと思います。
私たちの社会の価値基準は、世界の多くの
国々と共有する、自由と民主主義です。もち
ろん、どのような理念、制度、政策にも、必
ず長所と短所、効果と副作用があります。バ
ブル後の日本経済を見事に立ち直らせた構造
改革についても、同様のことが言えるでしょ
う。
バブル崩壊後の日本経済は、最も低い数値
で、実質成長率はマイナス一・二%、日経平
均は七千八百円であったと記憶しています。
今や実質成長率は二%、日経平均はきょう一
万七千円を超えております。バブル崩壊の日
本経済をむしばんでいた病に対する手術ある
いは投薬治療とも言える構造改革は、見事な
治療効果を上げたと言えましょう。
しかし、手術の後遺症あるいはやむを得ぬ
副作用の結果、都市と地方、大企業と中小零
細企業、所得のある者とない者、また所得差
による教育の格差などにどのように対応して
いくかが、参議院選挙で示された民意の一つ
であります。構造改革という言葉で一括され
ている自由主義経済、自由主義社会の原点を
しっかり確認した上で、いわゆる格差問題に
私たちは立ち向かわねばなりません。総理の
いわゆる構造改革への率直な評価をお聞きい
たします。
先ほど引用いたしました小沢代表の「日本
改造計画」は、皆さん御承知のとおり、グラ
ンドキャニオンには、さくがなく、立入禁止
という立て札がない。つまり、当局に安全を
守ってもらうのではなく、それを当然視する
日本よりも、自分の安全は自分で守るという
アメリカ流の自己責任原則の記述より始まっ
ております。保護・管理の拡大を求めるので
はなく、個人に自己責任の自覚を求める旨を
うたっておられます。
個人の尊重、自助と自己責任は自由主義の
基本であり、私には何の異存もございません。
しかし、同時に、自由主義社会の原則や市場
のメカニズムは、時に答えを間違えるもので
あり、利益を最大にしようとする中でモラル
の荒廃を生ずる等の欠点があります。これに
どう対処するかは、いつの時代にも、政治、
特に自由主義社会の政治が直面する難問であ
ります。
今回の参議院選挙で示された民意は、「日
本改造計画」にも描かれ、我が自民党も行っ
てきた改革の痛みや後遺症への国民の拒否反
応でもあったかと思います。
小沢民主党代表は、参議院選挙の公約にお
いて、「日本改造計画」のお考えから見事な
変身を遂げられ、民主党は参議院の第一党と
なられたのであります。先ほど鳩山民主党幹
事長がとうとうと述べられた民主党のマニフ
ェストに記されている基礎年金の全額税方式、
子ども手当の創設、高速道路の無料化、最低
賃金の引き上げのための中小企業への助成、
農家への戸別所得補償など、すべて国民にと
ってうれしい、また歓迎される公的介入・助
成策であります。
問題は、この約束手形を実現する財源措置
の実現可能性にあります。
例えば、補助金を交付金と名を変えるだけ
で六兆円強の財源が出てくるようですが、突
き詰めれば、福祉、社会保障、地方に回って
いた補助金を六兆円減額するということであ
りましょう。それで福祉や格差に苦しむ地方
財政がもつかどうかを具体的に詰めることこ
そ、政権を担当する政党の責任であり、能力
なのであります。
総理の言われる希望と安心の国づくりの中
で、地方や弱者へどのような目配りを考えて
おられるのか、公明党、自民党の政権協議を
踏まえ、約束手形ではなく、現金決済に耐え
得るお考えをお伺いしたいと思います。
福田総理には、その堅実な政治手法、現実
処理能力により、政策を積み上げ、地道に一
歩一歩日本国を前に進めていただくことを期
待いたしております。
哲学者であり、政治家であったローマ皇帝、
マルクス・アウレリウスは、みずからを戒め
る「自省録」の中で次のように言っておりま
す。あらゆるときにかたく決心せよ、自分が
現在引き受けていることを質素で飾り気のな
い威厳と愛情、自立と正義をもって果たそう
と。
この言葉を総理にお贈りし、私の質問の結
びといたします。(拍手)
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