歯科医療保険の充実に向けて
社会保障制度調査会医療委員会
歯科診療に関するプロジェクトチーム 中間とりまとめ(案)
平成19年11月15日



  はじめに
 本格的な高齢社会を迎え、健康で豊かな生活を営む上で、歯の健康は、一層重要となっている。そのためには、歯科保険医療の充実と資質向上が必要である。
 歯科PTにおいては、これまで、歯科保健医療の現状と諸課題について、4回の議論を重ねてきたが、今後、取り組むべき項目について、下記のとおりとりまとめた。

T 歯科医師の資質向上と需給対策
 歯科医師の需給対策については、平成18年の文部科学・厚生労働両大臣による確認書を踏まえ、新規参入の削減に向けて下記の取組が必要である。
(1)本来、新規参入歯科医師の削減は歯科大学・歯学部の入学定員の削減により行なうべきであり、まず、平成10年歯科医師の需給に関する検討会報告書(厚生省)等における目標である10%の削減を早期に実施する。
(2)これに併せて、歯科医師の資質向上の観点からも、歯科医師国家試験の合格基準を引上げる。
(3)歯科医療をとりまく状況に対応し、改めて政府において歯科医師の適正な需給を示した上で、歯科大学・歯学部の再編・統合を含め、さらなる新規参入歯科医師の大幅な削減対策に努める。
(4)なお、平成18年度から必修化された歯科医師臨床研修については、歯科医師の資質向上に大きく寄与するものであり、需給対策との関連も含め、制度の見直し、充実に向けて検討を行う。また、歯科医師の活動分野について医師との役割分担の在り方も含め検討する。

U 8020運動等 歯科保険対策の推進
 8020運動は、国民に広く浸透し、8020達成者の増加等、大きな成果を上げている。全身の健康の維持・増進の点からも、下記の歯科保険対策を進めていく必要がある。
(1)8020運動維持特別事業は、地域における保険対策推進の中核的役割を担っており、地域の保険医療関係者からも高く評価されており、今後とも継続して実施する。
(2)さらに、食育や、生活習慣対策との連携を進める観点から新健康フロンティア戦力における「歯の健康力」を推進する。
 また、後期高齢者等への在宅医療・介護への対応を進めるため、これに対応できる歯科医師等を養成する。

V 適正な歯科サービスの評価
 国民が安心して納得できる歯科医療を享受できるよう、質の高いしか医療サービスをより効果的かつ適切に提供することは重要である。このため、
(1)歯科医療に関する技術の進展や、保健医療における歯科の位置づけの重要性を踏まえ、診療報酬等の面からも適正な技術評価を行なうべきである。
(2)後期高齢者の歯科医療については、在宅患者の治療と継続的な口腔管理を重点的に評価すべきである。
(3)歯科医療機関が患者に提供する診療情報については、診療報酬上の算定要件を見直し、症状に変化がない場合や指導方法に変更がない場合には不要とするなど、真に有効で必要と考えられる場合に提供するものとし、文書提供に伴う歯科医療機関の事務負担を軽減すべきである。